プロローグ02
「…どーする、よ?」
「………」
口火を切るのはやはりデュオだ。二人が出て行ってすぐに、バイオレットの瞳が黒い瞳を捉えた。その目は、迷っているというよりは、探っている。欲しいものはなんだ、と問いかける。まさしく死神の目だ、と五飛は思う。今までを殺してくれる、やさしい、死神。
「おまえは…」
狡い、らしくない答えだ。けれどデュオは咎めたりはせずに、肩を竦めてみせた。言いたいことは、多分お互いわかっている。不思議と知っていた。それでも五飛が何も言えないでいると、デュオがまた口を開いた。そうして、一つずつ殺してくれるのだ。
「バレてる、だろ?」
「お互いさまだ」
そうだな、とデュオは言った。そうだ、ともう一度。それを、隠しているものがあるということを、否定しないということは今までが死ぬということだった。喘ぎ苦しむものに、安らかな終わりを。しかし、デュオはそこまでだ。よくわかっていた。今度は五飛が口を開く。生まれるのだ。圧倒的な言葉が、新たな世界を見せてくれる。
「消えることができぬなら、覚悟をもつまでだ」
ともすると、偏ったそれに、頷くか首を振るかは自由だ。ただ五飛は見せてくれるのだ。選択肢をくれるのだ。デュオは少しだけ迷って、弱くそれに頷いた。心の片隅にある、本当の気持ちを肯定してくれる言葉だったから。
「おれは消えるつもりはない」
「………、おれも、だ」
うん、いやだ。口の中で転がすと、五飛が微笑んだ。滅多に見せない、本当にやさしい微笑み。ならば、と言葉が続いて、デュオも笑った。
「きっと、驚くよな」
「そうだな」
子どもが悪戯を企むような、笑いだった。
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