SSlog01

「あ」

びくり、と横で三橋が肩を大きく揺らした。

「ああー…!」
「…ど、どうしたの…、田島くん…」

びくびくびく。
大きく目を見開いて、納得した様子の田島に三橋が恐る恐る聞く。田島に怯えているというよりは、そのオーバーな奇行に三橋は怯えているようだった。

「いや、俺花井のこと好きだったんだーって思って」
「…?」

三橋は首を傾げる。まえから田島君は花井君のことが好きだったんじゃないの?
疑問に思っても口には出さない三橋。

「そうかー。俺花井のこと好きだったんだー」

なんと相槌を打てばよいのかわからず、三橋はただ田島の話を黙って聞いていた。
疑問を抱えながら。
その様子に気づく様子もない田島。

「だから俺、花井にキスしちゃったんだー」
「…!!!」

ボっと一瞬で三橋の顔が赤くなる。

「た、た…あ……う…あ…」

そっかそっかーとしきりに呟く田島に、三橋は何もいえない。
ただ、ウとアを繰り返すだけだ。

「スキだったらキスしてもいいんだよな、三橋」
「あ、う…うん…い、いい、と思う…けど…」

ごにょごにょごにょ。口篭もる三橋など気にもとめず、田島は笑う。

「やったね!これで花井にキスし放題だ!」
「…!!!」
「じゃ、俺先行くわ!」

じゃ、と持ち前の俊足で、あっという間に田島は廊下のかなた。

「ま、ま…!」

あわわ、と三橋も田島の後を追いかけて走り出した。


七組で花井が猛烈なキス攻撃にあう一分前の話。