SSlog01
私と彼がいつデートしたかなんて、そんなのチョコチップクッキーのチョコチップを見つけるぐらい簡単にわかるわよ!
全く、と最後に付け加えて栗色の彼女はチョコチップクッキーを一枚、口の中に放り込んだ。さらに紅茶を一口二口ばかり飲んで、それでどうやら彼女のティータイムは終了らしい。カチャン、とカップとソーサーがぶつかって音を立てた。その音に反対側に座っていたドラコは少しばかり眉をひそめる。けれど何も言わずにカップに口をつけ、静かにソーサーの上に置いた。 ふと視線を持ち上げれば、利発そうな瞳が憤りに染まってこちらをまっすぐ見ていた。大体ね、と彼女は続ける。
大体、ファッションだとかそういったものっていうのは難しすぎるのよ。人に言わせればファッションは難しいじゃなくて楽しいって言うかもしれないわ。勉強の方がよっぽども難しくって大変だってね。 でも、勉強は確かに人によっては難しいかもしれないけれど、簡単なところから始められるようにできているわ。誰でもどんな人でも最終的にはある一定のレベルに到達できるようにちゃんとカリキュラムが組まれているのよ。この本を読んで、この問題を解いて、次はこの本を読んで…ってやってげば、必ずみんなできるようになるじゃない! それなのに、ファッションっていうのはそう…いわゆる入門書がないの!これがどんなに厄介なことでファッションをある一定のレベルまで極めようとしている人にとって難関として立ちはだかるかわかる!? 例えば、例えばよ?アナタが全くファッションについて無知だとするじゃない。流行のものもなにも分からなくて、せいぜい上下を同系色でまとめるのがいいとかその程度の一般的常識範囲内で予想できる程度しかファッションがわからないとするじゃない!そういう人が、そこらへんにある雑誌を手にとってみても、全くどうしていいかわからないと思うわ。この服とこの靴とこの帽子の組み合わせが素敵―…なんてパターンがいっぱい載ってるのよ!?果たしてどれが自分に一番似合うかなんてわからないじゃない!そりゃ、好みで決めればいいんでしょうけど、世の中には…決して偏見をもってるわけじゃないのよ、誤解しないでね…ピンクが好きなマッチョだっているわけでしょう?好みで選んで必ずしも自分を引き立てられるとは限らないじゃない!それに、とっても高いし…。まぁ、それはちょっと違う話かもしれないけれど。…というか、それ以前にどうも肌に合わないのよね…本なのに本らしくない雑誌だからかしら?別世界のようでなじめなくて…何について書いてあるのかもよくわからないし…で、だから要はそこらへんの雑誌を見てもどうにもできないのよ!だけど、何処を見回しても入門書らしきものは見当たらないの…。アナタはきっと途方にくれるわよ!どうしていいかなんてわかんなくなっちゃうわ!だからって本屋のちょっと奥に入れば洋裁の本しかないし…。それで結局私はあの本屋の一番外にある…それだって一定期間しかおいてないのよ!すぐに新しいのになっちゃう!…いかにも安っぽそうな薄っぺらい、何が書いてあるかわかんないような本に頼るしかないのよ!
どん、と彼女が拳でテーブルを叩く。まだカップにたっぷりと残っている紅茶が揺れて白いテーブルクロスに一つ二つしみをつくった。それで彼女の苛立ちは大方収まったようではぁと熱っぽいため息を一つ吐いて目を伏せた。 反対側に座っていたドラコも一つ、ふぅと呆れ気味にため息を吐く。 「それで結局、君は何が言いたいんだ?」 「…私のお洒落は、これが精一杯ってことよ」
差し出された手の先、爪には少し剥げた薄いピンクのマネキュアがキラキラ日光を反射して輝いていた。
***** ハーマとドラコは誰が何と言おうとお茶飲み友達推奨!!もうほぼ定期で二人で飲んでるんだよ。天気がいい午後は中庭でお茶会って決まってるんだよ(全校生徒の中で)(だから天気のいい午後中庭は無人なのサ☆★覗きなんぞいないぞ!なんたって天使の庭だからな。将来有望な若い魔法使いの鉄壁の守り、ホグワーツで一番安全な庭なのサ☆★)天気が悪いと獅子寮でやっぱり飲んでるんだよ。たまに勉強とかもするんだよ。不定期で彼氏も加わるよ。でもにぎやかになりすぎて、それはそれで楽しいんだけど不定期じゃないと体力がもたないんだよ。もうとにかく二人は茶飲み友達なんだ! そんな主張をたっぷり詰め込んでみました。
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